世界最高峰のNFTプロジェクトDigiDaigakuが、日本でもジワジワと火がつきはじめましたね。これを機に、歌舞伎町ナンバーワンホストのGabeに300万円のGenesisボトルを貢いたGabe狂であるワタシが、少しずつGabeの魅力を世に広めていきたいと思い、書き始めます。
(訳:Gabriel Leydon氏(以下Gabe)がファウンダーを務めるNFTプロジェクト「DigiDaigaku」の「Genesis NFT」を300万円で購入した私が、彼とプロジェクトの魅力、そしてその背後にある革新的な考えについてお伝えしていけたらいいなと思います。)


FREE OWNとはなにか
FREE OWNとは文字通り、タダでNFTを所有できることを意味します。今までのNFT業界はPaid Mintが主流でした。Paid Mintとは、NFTの1次販売時に、買い手がETHを運営に支払って購入することを意味します。
Gabeが提唱するFREE OWNというコンセプトは、このPaid Mintを代替する新たな手法です。NFTの1次販売が、無料であることを意味します(もちろん、2次流通は買い手による需要次第で価格が決まってきます。)
この記事では、このFREE OWNがなぜ重要で、なぜFREE OWNがNFT、ひいてはイーサリアム、Web3全体に革命を起こすことになるのか、紹介していきます。
以降、FREE OWNと言ったり、Free-to-Own、フリーミントと言ったりしますが、全部同じような意味だと思ってください。
またこの記事は、How Web3 Onboards a Billion Users (Invest Like the best with Patrick O’Shaughnessy)のPodcastおよび、合計20時間以上のTwitter SpaceでGabeが繰り返し語った内容のメモなどを、ワタシが勝手にランダムに組み合わせて非公式に作成したものであります。
なお、ここから先は、Gabeが喋っている内容だと思って読んでください。(ワタシの補足コメントは、Gabeの発言とは区別して分かるように記載します)
だれが1兆個のNFTを買えるのか
まず、NFTの生成には原価がかからない。
石ころ:もちろん、イラストを制作するクリエイティブであったり、スマートコントラクトの開発だったりありますが、いったん抜きにして話しているかと思います。難しいことをしない場合はスマートコントラクトも他のプロジェクトで公開されているものを使い回せますしね。
そしてこれは、トレードすることができて、サプライが限定されている。ずっと持って保存しとくこともできるし(石ころ:NFTに紐づく画像データがブロックチェーンではなく運営サーバーにある場合は、画像データ自体の永遠性は保証されませんが、厳密な話は置いときましょう)、友達にあげることもできる。OpenSeaで表示することもできる。そこらしこにこれを配らない理由がどこにあるか?もちろん配るべき。メイクセンスする。
石ころ:原価ゼロで作ったDigiDaigakuのNFT1個が、300万円で取引されているわけです。もちろん、NFTだからというだけで価値がつくわけではありませんが、原価ゼロで生成したものが、うまく使いこなせれば、何百万円の価値がつくわけです。GabeはNFTは(良い意味で)「錬金術」だと言っていましたが、まさにそのように感じます。
こう言うと、あぁナルホド、Play-to-Ownみたいだねって言う人がいる。
Play-to-Ownはプレイしないといけないことを示唆する。Play-to-EarnはEarnするためにPlayしないといけないことを示唆する。Free-to-Ownは「ハイこれあげる。タダ。今これで君が所有するものになったよ。」
DigiDaigakuに追随するゲームも、Free-to-Ownだよって言った瞬間に「無料のNFTください!」と何千人が言ってる。何千人の注目を集められる、ひょっとしたら何百万人の注目も。だから、自分にとってはFREE OWNになることは自明。このコンセプトを出した時点でもう「はいこれで終わり。勝った。」という感じ。FREE OWNは死の一撃。
NFTは普及するのか?と聞くのは、クーポンが無い時代に、人々がクーポンを使うようになると思う?と聞くようなもん。全員NFTを使うようになるよ、全員。新しいEmailのようになる。
企業やブランドも、こんなに美味しい話はなく、逆に活用しないわけがない。みんなが無限にNFTを発行するので、そうしたら世の中がTrillion(1兆) NFTで溢れかえる。鬱陶しくなるほどに。
そうなった時、誰がその1兆のNFTを買えるのか。供給が多すぎる。買い手が足りない。だから、無料になる以外ありえない、成り立たない、というシンプルなロジック。
そして、もちろん1兆のタダのNFTでも、ピンキリになるので、競争率がより高くなる。そうなってしまう前に、DigiDaigakuはSuperbowlで先手を打つ。この門戸はそんなに長いこと開かれてない。
オレはPaid Mintを終わらせに来た。
(石ころ:ピンキリになるというのは、全部最初はタダでも、人気なものは2次流通価格が上昇するからという話と、成熟してくると、今の無料アプリがそうであるように、大々的に宣伝してようやくダウンロードしてもらえる世界線がくると思われるからです。


また、Gabeはクリエイターさんによる一点物等のNFTは無料ではなく有料のままであるべき、と言っています。)
なぜFREE OWNが10億人を連れてくるのか
第一に、タダでNFTをあげるよと言われて、一体誰が断るのか?既存の一部のゲーマーなどがNFTに嫌悪感を見せているのは、BAYCを見せられて、これが何千万円もすると言われたら、そりゃあ抵抗を持つだろう。
けどそんな人に、タダであげるよと言ったら?喜んで貰ってくれるに違いない。現に、NFT嫌いと言っていたRedditコミュニティに、Reddit運営が安価なNFTを提供してあげたら、NFTに対する態度、センティメントが一夜にして変わった。


そもそも、高価なNFTを販売しておきながら、マス向けのweb3ゲームを作ると言ってるNFTコレクション運営が多くいるが、一体どうやって作るというのか?
石ころ:ゲームに関して言うと、GabeはAndroid&iPhoneのモバイルで一番最初にFree-to-Playを開拓して市場を作った一人であり、「Free」に対する信念、思想のようなものも感じます。例えば6年前のこの動画では下記のように言っています:
Free-to-Playはリスクが全部オレにくる。開発者をたくさん雇って、1年かけてゲームを開発して、そして最後はタダで提供する。無料だからお願いだから試しに遊んでみて、と言って、2週間遊んでもらって、気に入ってくれて課金してくれる。一方で、多くのコンソールゲームは、合計で2時間もプレイしないのに、最初に60ドルも払う。このビッグなストーリーと素晴らしいグラフィックを見てくれ、最初にお金を払ってくれ、君たちは絶対楽しんでくれると思うよ、約束するよ。と。で結局買った人は満足しないケースが多くある。Free-to-Playへの移行により、コンシューマに力がシフトする。
現状NFTを買う流れは、暗号資産取引所の口座を開設して、KYCして、入金して、暗号資産を購入して、メタマスクに送付して、NFTを購入(しかも高い)
この方法ではマスをNFTにオンボードすることは到底できない。FREE OWNは、これとは逆の流れを目指す。
(石ころ:確かにワタシも、最初のハードルはもとより、最初に買うにふさわしい推しのNFTを探すのにも苦労しました。)
まず、いきなりNFTをタダであげると言う。暗号資産すら持ったことがない人が、最初にNFTを手にする。それで他のNFTにも興味が出れば、暗号資産を買うなり、タダでもらえたNFTを売ってETHを手にするなりする。
(石ころ:厳密には、運営主導のエアドロではなく買い手が主導のフリーミントの場合は、購入するときにガス代だけはかかるので、幾分かのETHが必要です。DigiDaigakuのフリーNFTは、今のところエアドロの場合と、フリーミントの場合があります。話の大枠をつかめればいいと思うので、厳密な話は置いときましょう。)
NFTをミントするのに50,000ドルもいらなくなるから、より多くのひとが参入する。
イーサリアムはNFTのプラットフォームになる
イーサリアム上でNFTを持つデイリーウォレットは60,000しかないとたしか読んだ気がする。60,000DAUなんて無に等しい。 結果的に、今はWeb3ゲームは重要ではない。フェイクに見える。 たしかにAxieはビッグゲーム。多少の問題はあるにせよ彼らはたくさんイノベートした。
とはいえ、No.1のWeb3ゲームは月間プレイヤー数が800,000人とか。No.2が10,000人とか。No.10になると、100人とか(笑) 基本的に、Web3 gaming is not a thing, not a real thing。まだね。間もなく、a thing になる。
そして、60,000デイリーウォレットから10億ウォレットまで、すぐに到達する。めちゃくちゃ早く到達すると思っている。
Free to Ownゲームが、全世界をイーサリアムに参加させることになる。イーサリアム上で起こることはとんでもないことになる。私見だけど、NFTこそがイーサリアムのコアなユースケース。NFTはみんなが持つことになるので、スケールさせられる。イーサリアムは、地球上のみんながそれらのNFTを交換するための媒体となる。なので、個人的には、イーサリアムを通貨やDeFiやその他のプラットフォームであるというふうにはとらえていない。NFTのプラットフォームである。
10億人をオンボードしていく過程で、新しいウォレットの99.9%がフリーNFTになる。すごい競争になる。戦いになる。結果的にNFTにはどんどんいろんなユーテリティーがついていく。そうしないと勝ち残っていけなくなるから。
フリーミントは運営が良い意味で追い込まれる
Paid-MintはBuilt-in Floorを意味する(石ころ:ミント価格が実質のフロアプライスとしてデフォルトで組み込まれてしまうという意味です)。例えば1ETHで1次販売したNFTが、0.5ETHに下がったら、損切しない人はまだホールドするかもしれない。
フリーミントの場合は、最初に買った人はタダで得ているので、損のしようがないし、全員利益が出る。ということは、どこで売られて利確されてもおかしくない。タダでNFTを手に入れた人がみんな利確してDumpしたら、プロジェクトが破壊される。
したがって、フリーミントは、開発運営がオーディエンスのために必死に働かないといけない。そうしないとNFTを売られてしまうから。開発運営にプレッシャーがかかる。Earn your Community、Keep everyone excited and engaged。もし失敗したら、十分に働いて頑張らなかった運営が悪い。
Pixelmonが2分で$70Mを手に入れた。もうチェックアウトできちゃう。翌日仕事行くべきか?って考えたときに、いやバケーションに行くでしょ。実際そうなってしまうプロジェクトが多い。
これが、Web3ゲームがなかなか離陸しない一番の理由だと思っている。1日$50Mとか$100Mとかを売り上げるのが普通だし、これは奇跡的に1回起きただけじゃない。何度も繰り返し起きてる。もしかしたら100回くらい起きてる。たった60,000人しかいない業界で、1日$50Mも売り上げることが、100回も起きたら、この業界にはなにか凄いことがあるのかもしれないけど、ただそれはマスを引っ張ってくるものではない。
(石ころ補足:
Pixelmonとは、昨年悪い意味で話題になったNFTプロジェクトです。ピクセル調のイケてるモンスターが登場する、ポケモンテイストのゲームワールドを構想していました:
期待が膨れ上がり、1体に3ETHを払う人も続出しましたが、そんなNFTが後日リビールされた結果がこちら:
アウトプットのみならず、諸々の経緯もヒドかったために、炎上しました。詳細はこちらのスレッドを参照してください:

鯨さんやインフルエンサーさんが重宝されなくなる?
0.5ETHなど強気の価格設定で、$70Mを1分で手に入れるプロジェクトをやるには、鯨(高価なNFTやETHをいっぱい持ってるクリプトお金持ちさん)を誘致することが欠かせない。今までのプロジェクトは「50,000ドル払える人が誰か」を探していた。
フリーミントになると、鯨は不要になる。どうせタダで配るのだから、お金を持っている鯨を探す必要がないから。
その場合、運営がお金持ちな鯨の代わりに求めるのは、コミュニティ。積極的に活動してくれる質の高いコミュニティメンバーがほしい。プロジェクトへのロイヤリティが高いような人。
そのような人、コミュニティは、これから他のプロジェクトでも求められる、引っ張りだこな存在になる。DigiDaigakuのGenesisホルダーのコミュニティ「DigiCult」に、他のNFTプロジェクトによるコラボ依頼が殺到しているのもそのため。
お金を持っているからじゃなく、アクティブだから。サポーティブだから。インフルエンシャルだから。インフルエンシャルと言っても、100万とか何10万とかのフォロワーを抱える人じゃなくていい。毎日Digiのツイートする。ツイッター、スペース、ディスコでアクティブ。ボーカルな人(発言が多い人)。ミームを作って盛り上がったり。NFTをホールドするし、プロジェクトやNFTのことにちゃんと関心を持ってて気にしてる人。
(石ころ:Gabeはいつでも自由に売っていいよとも言っているので、ホールドを強要するわけではありません。もちろんホールドしてくれたほうが内心は嬉しいでしょうが。Digi生徒会長のLouさんのツイートを貼らせていただきます)


鯨を呼び込むには、インフルエンサーの力を借りる必要があった。だけどインフルエンサーは、チャットとかに参加しない、何もしない、儲けるだけ、みたいな人が多かったりする。鯨の影響力はもちろん残り続けるけど、普通の一般の人にもチャンスが来るようになる。
(石ころ:DigiはインフルエンサーとのAL配布コラボ等を一切せずにここまできています。)
FREE OWNこそがNext Big Thing
私たちは、既存のFree-to-PlayエコノミーをWeb3に持ってこようとしている。そして全部無料で明け渡す。多くのWeb3の人が「無料のNFTなら別に過去に事例があるし」と批判したりする。けど、彼らは正しくブランディングできていない。これを新たなカテゴリーとして称していない。これがNext Thingだと言ってない。ただ無料でやっただけ。自分は「違う、これこそはFree-to-Playをリプレイスするものだ」と声高に主張する。
石ころ:
お読みいただきありがとうございました。私は初めてFREE OWNの考えに触れたときは、非常にワクワクしました。みなさんはどうだったでしょうか。
なお、無料で販売しちゃったら運営はどうやって稼ぐの?と思った方も多いと思いますが、NFTの二次流通手数料が考えられます。
また、ワタシが推してるアーティストのOrangestarさんのNFTが出れば有料でも買いまくりたいですし(むしろタダでミントするなんておこがましい!ETH払わせてくれ!)、STEPNがジムと対比されることが多いように「あえてお金を払わせることでそれが一種のインセンティブになる」みたいな考えもありますし、必ずしも全てのシナリオにおいて、FREE OWNになる、とは思いません。ポケモンやスプラトゥーン、どう森も最初にお金を払う有料モデルですし、良い体験にはちゃんと事前にお金が支払われるのではないでしょうか。ただ、web3の世界では、ゲーム内アイテムやキャラ等を最初はフリーミントで配る、という手法はマーケティング的な効果も含めて、けっこう普及しそうな気はしています。
また、以下スレッドのような分析・見方もできるので、FREE OWNには一定のポジショントークも含まれる可能性も念頭においておくべきかもしれません。その上で、ワタシはDigiDaigakuのFREE OWNはNFT人口の裾野を広げてくれるはずだと期待しているので、応援したいと思っています。(国内だとCNPファミリー銘柄のように、何百億円の資金調達をしていなくても、フリーミントに近い形ではじめて大成功しているプロジェクトもあります。)


終わり
最後に宣伝ですが、今夜21:00からSpaceでDIEGOさん主催のDigi談義がございます。ご興味のある方はぜひ!


また、本格的にDigi参入を検討している方は、Louさんのnoteが必読です!