成功してないやつが語るのはダサい?
メルマガご無沙汰しております。石ころです。
今後このメルマガの方針を少し変え、私が代表をしている「スナックタイム」というシードスタートアップ(toCアプリを量産していく会社)で、こんなことを試してみるよとか、これをやったら失敗しちゃったわとか、これがうまくいったぜ、などを共有していこうと思います。けんすうさんがよく言っているプロセス・エコノミーというやつですね。
ただ、成功している人ならまだしも、なんの実績もないシード起業家がそんな発信をすることに意味があるのか?そもそも実績もない人が、偉そうに発信していいもんなのか?と自問しちゃいました。
(もちろん、YコンのWinter 2024 Batchをまとめました!とか、海外トレンドをいち早く紹介するとかなら、誰がやっても大変有意義かと思いますが)
それで、自問しているときに、VARK社の加藤さんのツイートを思い出しました。もう一年以上前のツイートなのですが、なぜか頭の片隅に残っていました。
成功したあと、成功の秘訣とか語り出すの死ぬほどダサい。 「こうすると成功する!」って言いながら大失敗した方が数倍マシ。
https://x.com/kato_vark/status/1663205390992154624
これ、なんとなーくは分かるようで、いやでもちゃんとはよく分からない、なんでダサいんだろ?成功者が成功の秘訣をシェアしてくれるのありがたいじゃん、という感じだったので、これを機にo1 proに文章をコピペして、なんで?と聞いてみました。
以下o1 Proの回答でした
「成功してから語る成功論」がダサく見えてしまうのは、しばしば以下のような心理的、社会的な要因が絡んでいるように思われます。
1. 後出しジャンケン感:
成功後に「こうすればうまくいく」と語ると、それが結果論のように映ってしまいがちです。失敗のリスクを負わずに安全圏から物事を分析し、自分のストーリーを美化しているように見えるため、「そりゃ成功者なら何でも言えるよね」と反発を生みやすくなります。
2. 上から目線・マウント行為に見える:
成功者が「秘訣」を説くと、聞き手からすると「自分が上、君たちは下」というヒエラルキーが暗黙裡に感じられることがあります。成功後に「秘訣」と称して話す言葉は、聞き手にとっては「お前らもこうやってみろよ」と上から目線の押しつけのように受け止められる可能性があるため、嫌悪感を呼びがちです。
3. 運・環境要因の軽視:
成功者が「成功のメソッド」を語ると、あたかも純粋な実力・努力だけが結果をもたらしたかのような印象を与えがちです。しかし、多くの成功には運や偶然、時流、人脈など、本人がコントロールしづらい要因も大きく関わっています。そうした偶然性を棚上げして「こうすれば成功する!」と後から断言することは、浅薄で押しつけがましく見えるのです。
4. チャレンジする姿勢・リスクテイクの美徳:
一方で、成功を断言しながら失敗する姿は、「挑戦し、その過程を共有する」という誠実さや人間らしさが感じられます。成功した後に語る「成功論」よりも、失敗によって泥を被りながらも「こうするといいと思うんだ」と先に声を上げる行為には、ある種の純粋性や勇気があり、それが逆に好感を呼ぶわけです。
まとめると、「成功後に語る成功論」は、結果を得て安全地帯にいる者が上からレクチャーしているような印象を与え、その態度が押しつけがましく、当事者意識やリスクテイク、運要素への謙虚さに欠けると感じられるため、ダサく見えます。一方、「うまくいくと言いつつ失敗する」側は、成功を保証できない中で率直な考えを示していたことが、むしろ人間らしさや誠実さを際立たせ、結果的に“マシ”に映るのだと思われます。
なるほど、そうゆうことか。めちゃくちゃわかりやすい。
となると、まだ成功していないシードスタートアップでも、考えていることとかいっぱい発信してもいいんだ、いや、むしろそうしていく方がカッコいいし「純粋で」「勇気がある」行為だったのかと、見方が180度ガラッと変わりました。
そして、加藤さんは上のツイートに下記のコメントも追加していたのを発見しました。
クリエーター、イノベーター、アントレプレナーに類する人は 「このプロダクトがリリースしたら」 「この売り上げがたったら」 「この仮説が検証出来たら」 みたいな眠たいこと言わずに自分が出来るか出来ないかわからないラインを実況中継し、未来について語りながら進もう。
https://x.com/kato_vark/status/1663206189285675013
なるほど。
o1に思想のベースを啓蒙してもらったあとだと、めちゃくちゃスッと入ってくる。加藤さんカッケェェェェェ。
私は今までわりとずっと、成功するまでは石の上でじっと耐え続けるのが美徳で、そして最後、成功した暁には!みたいな考えだったかもしれない・・・
あとこれって、けんすうさんのプロセス・エコノミーの話とはちょっと違う話かもしれないと思いました。
プロセス・エコノミーは、最終アウトプットの製品・サービス・コンテンツの平均的な質が高くなりすぎて、作るプロセスでしか差別化できなくなるし、むしろ作るまでのプロセスが共感を呼ぶようになって、個人クリエイターはプロセスをたくさん共有し、企業もマーケティングの一環でプロセスを公開するようになる、みたいな経済的な話だと思うのですが、
加藤さんの話は、もっとこう思想というか、リスクを取るとか、勇気の話というか。なんか名前つけたいよねこれ。勇気エコノミー。ダセーw (そもそもエコノミーは関係ないんだった。)
最後に変な誤解が生まれないようにDisclaimerも書いとかないといけないと思うので書きますが、
いやいや、不特定多数に向けていろいろ表明してる暇があったらオレは手を動かすぜ、語ってる時間すら惜しいぜ、みたいな人もいるだろうし、それはもちろんカッコいいと思っちゃう。
あと、「成功するまで表に出なかった人は成功した後は語ってはいけない」とかなっちゃったら、知見が循環しないし、窮屈な社会だし、少しくらい語らせてあげてよ・・・こっちも普通に聞きたいし・・・と思う。言い方の問題なのかな。「成功の秘訣おしえまっす」みたいに言うのがダサいってことか。
とはいえ、成功してない人でも実況中継しながら語っていくことこそがカッケーんやで!リスク取ってこーぜ!という価値観は斬新で刺さったし、私もこの考えを積極的に推していきたい。
ということで、もともと文章を書くのも好きだったし、しばらくこの思想にどっぷり浸かってみて、今後はもっと気軽にいろいろ書いていけたらいいなー!って思ってます!ほんじゃあまた!